合法ハーブ【薬物ニュース】 大麻購入「オランダ居住者に限定」 客集まり治安に不安
専門店での大麻の購入・使用を公認しているオランダで、購入できる者を国内居住者に限定する動きが進んでいる。大麻が非合法な近隣国から客が集まり、地元住民と摩擦を起こしているためだ。一部の地方自治体が国外居住者への販売禁止条例を検討。実際に規制に入る法的な手続きが残っているが、注目を集めている。
条例をすでに作ったのはドイツ、ベルギーに近いマーストリヒト市。大麻の購入・使用ができる「コーヒーショップ」が市内に14軒ある。身分証明書を提示して18歳以上であると示せば、1人5グラムまで大麻を買える。その場で吸っても、持ち帰ってもよい。
市中心部のマース川に停泊させた船を使ったコーヒーショップの店内掲示は独、仏、オランダ3カ国語。周辺国からの来店者の多さをうかがわせる。店員によると、客の9割が外国人だという。
市政策顧問のペトロ・ヘルマンスさんによると、市内のコーヒーショップには年に約210万人が訪れ、うち7割は国外居住者。いわゆる「ドラッグ・ツーリスト」で、店周辺は車やバイクであふれ、騒音やごみへの苦情が絶えない。治安の不安も高まったという。ヘルマンスさんは「大麻購入を国内居住者に限れば、問題はかなり緩和される」とねらいを話す。
これに対しコーヒーショップ経営者側は、欧州連合(EU)域内では、単一市場の原則で人、物、サービスの自由移動が保障されており、オランダ国外居住者への販売を禁じた条例はEU法違反だと、欧州司法裁(ルクセンブルク)に提訴。しかし、裁判所の法務官は7月、「大麻を含む薬物は一般的な物と分けて考えるべきだ」として、大麻は単一市場の原則の例外にあたるとの見解を示した。この意見は、近く出る判決に大きな影響を与えるとみられている。
マーストリヒト市はこの問題がクリアされれば規制を始める方針。複数の自治体が同様の規制を求めており、オランダ政府は国レベルの立法化に前向きだ。
ただ、薬物対策に詳しいティルブルフ大法科大学院のニコル・マルステさんは「締め出された非居住者が居住者からヤミで入手しようとするなど、かえって問題が広がる可能性がある」と語る。(マーストリヒト〈オランダ〉=井田香奈子)
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